STUBBIE Mastering - Blog
佐々木監督の新作映画『ナイトクルージング』を
渋谷アップリンクにて観てきました。
佐々木監督とは、「友人のバンドの友人」という縁で
何度かお会いしたことはあったものの、作品を観るのは初めてでした。
『ナイトクルージング』は、生まれつき全盲の主人公が、
SF映画(!)を作るというドキュメンタリーなのですが、
「生まれつき目が見えない」、つまり「外界をまったく見たことがなく、
色彩やモノの形、光さえも認識したことがない」人が、
映像を作っていくというハードルの高さを想像すると、
気が遠くなっていくような気分になりました。
音楽に例えると、耳が聞こえない、
そして、音楽を聴いたことがない状態で、
はたして音楽が作れるのか?・・・と。
ですが、映画を観すすめるうちに、見えていないからこそ、
表現できる深さがあるのだなーと驚きの連続でした。
これは、主人公・加藤氏が発した
「あぁ、見えてない。それがどうした?」という
言葉にも集約されているのかもですが、
見えていないからこそ、研ぎ澄まされていく感覚があるのかもしれません。
けっきょく、モノ作りで大切なのは、小手先のテクニックなどでなく、
「イマジネーションとその熱量」なんだなーと
再確認させられたような気がしました。
ちなみに、自分がいちばん印象に残ったのは、
終わり際のシーンで、デビッドリンチ監督のツインピークスで言うと、
まるで「赤いカーテンの部屋」に迷い込んだ時ような、
サイケデリックに捻じれた感覚があって、
「おおっ!」と食い入るように見入ってしまいました。
(この続きがとても気になっています。)
●『ナイトクルージング』オフィシャルサイト
https://nightcruising.net/
●以下の『ナイトクルージング』特報で、
スタビーからリリースしたコンピレーションCD「FUTURE DAYS」収録の
「Dritt Drittel – Balloon Flight 1991」が使われています。